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『マルチプル・マニアックス』『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』予告

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『ピンク・フラミンゴ』(1972)の公開50周年を記念して、2022年1月1日(元旦)に公開されるジョン・ウォーターズ監督『マルチプル・マニアックス』、『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』の予告編が完成!
主演は『ピンク・フラミンゴ』と同じく巨漢のドラァグクイーン、ディヴァイン。野原に建てられたテント小屋では、アブノーマル・セックス、吐き出したゲロを喰う男、ヘロインの禁断症状などを売り物にした変態ショーが行われている。その一団の座長が、ディヴァインだ。集まった客を射殺しては逃げ回るなど、その悪行は留まるところを知らない。内縁の夫デヴィッドがたまらずディヴァインを殺そうとするが、そう簡単にやられるわけもなく、常軌を逸した殺し合いが繰り広げられる。そして、衝撃のラストには、巨大なザリガニが登場…あの観るものをすべてをドン引きさせた『ピンク・フラミンゴ』の結末に勝るとも劣らない仰天の展開が待ち受けている!
今回の上映では、『マルチプル・マニアックス』と共に、ウォーターズ自身が最愛の作品と語る『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』も同時に上映となる。映画狂の監督とその仲間たちが、ハリウッド女優ハニーを誘拐し、彼女を主演に仕立て史上最強のインディーズ映画の撮影を始める。強大なハリウッドの映画システムと闘う反逆精神に満ちたコメディだ。
今回の日本上映を一番喜んでいるのは何と言ってもジョン・ウォーターズ監督自身だ。その喜びを伝えるべく、公開に先立って監督がビデオメッセージを日本の配給元に送ってくれた。その中で、JW監督は、この上映に「立ち会いたかったな」とコロナで渡航が難しく残念だと話した。そして『マルチプル・マニアックス』に話は移り、本作品のことを「通称を“セルロイドの残虐行為”」だと語る。1968年に、5千ドルで製作された本作は公開当時、散々、猥褻だとけなされたとのことだ。ある審査員には「90分間、目が侮辱された」と言われたというから、その程度が伺える。そして、JW作品にとっての欠かすことのできないディヴァインについて「ディヴァインはゴジラ」だとJW流の最大級の賛辞を贈った。
そして、今回同時上映となる『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』についても言及した。「あれは映画のテロだった」と語る監督。「今でもあんなことができるか?」と自身に問いかけると、もちろん出来ると答える。続けて、「コロナ陽性者を映画館に入れ、古くなった軽食を提供。どうせ味覚が無いから、気にしないさ」と、JWらしいシニカルでウィットに富んだ発言は健在だ。そして、今回、同時に出版されるジョン・ウォーターズ著『ジョン・ウォーターズの地獄のアメリカ横断ヒッチハイク』(柳下毅一郎訳/国書刊行会)についても言及した。本作は、なんと66歳の時にヒッチハイクした経験から執筆されたと言うから驚きだ。
今回の上映で、ジョン・ウォーターズ監督の、反モラル、猥褻、悪趣味を武器に反逆を続けるウォーターズの世界に新年早々どっぷりと漬かって欲しい。

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